工業製品を作る人々の思いに触れる ―第5学年社会科自動車の生産にはげむ人々 安倍堅介教諭の実践より―
公開日: 2026年1月5日月曜日
今回は、社会科5年安倍先生の実践の紹介です。安倍先生は、普段からの子どもたちとの関わりをとても大切にされる先生だなと感じています。朝の時間や昼休みよく子どもたちと一緒に過ごし、子どもたちの笑顔を中心に学級経営や授業を行っていらっしゃいます。だからこそ、子どもたち一人一人のことをしっかりと理解し、本気で工業生産に取り組む人々の思いに寄り添いながら、学びをサポートする姿が単元の様々な場所で見られました。
今回の社会科における自動車の生産にはげむ人々の実践では、子どもたちが、一生懸命にグループで自分たちの理想の自動車の提案を考えている姿がありました。
例えば、「自動車を作る提案シートを作成しよう」とだけ子どもたちに課題を与えてしまうと、おそらく子どもたちは思い思いに自分が乗ってみたい、あったらいいなと思う自動車を提案し始めるでしょう。しかし、現実の自動車生産はそのような事は難しいと思います。実際、自動車会社の人々が乗りたい作りたい車ばかり作っていては、消費者の心が動かされることはありませんし、生産コストによる企業の利益の低下の懸念もあります。そのような現実がもつ複雑さに思いを馳せることで、自動車の生産にはげむ人々の思いに触れさせていきたいと、安倍教諭は実践を行いました。
その自動車生産にはげむ人々の思いへと触れるために、様々な手立てを行いました。その手立ては大きく3つです。1つ目は、子どもたち自身、まだ車を運転する経験はありません。ですので、1番近い保護者の方に「どのような車が欲しいか」のアンケートを取りました。これにより、本当に消費者が欲している車とは何なのか明らかにしていきました。2つ目に本物の人との出会いです。実際に車を生産している会社にzoomで工場見学を行ったり、どのようなことに気をつけて車を生産しているのかをインタビューしました。これにより、自動車を作る過程で何を大切にしているのかに気付きながら、提案シートを作成できるようにしました。そして3つ目は、一度提案シートを班で作成した上で出てきた困り事などをもとに、もう一度インタビューを行った車を生産している方への質問の時間を取ったことです。こうすることで、提案シートを作成する中で、班の子どもたちの中に生じた葛藤をそのまま生産している方へ語り始める姿がありました。これには、インタビューでよくある話す聞く関係だけでなく、その中に、本物に似た共感する姿がったように感じます。この姿こそ、工業製品を作る人々の思いに触れることができる瞬間であったと感じています。
この実践において、それぞれのグループにおける学びにひたる姿があったのではないかと思います。それぞれのグループでは、子どもたちは、お客さんのニーズと企業が考えていることの狭間に立って、自分たちの思い描く理想の車をひたすら追求していました。この単元の中で、提案シートを作成するために、企業の方へ自分たちが知りたいことについて熱心に質問し、またそれを基にアンケートを確認したりと、何度もアンケートと企業の方にお聞きしながら提案シートの完成を目指す姿がありました。
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