教室を〈砂場〉にする!〜学習環境デザインの提案〜
公開日: 2023年1月29日日曜日
学びをたのしみ自律共創する子ども
先生方はこの言葉からどのような子どもの姿を思い浮かべられるでしょうか。
本校では昨年度よりこの主題のもと,
「自ら問いを見いだし対象に働きかける姿」
「他者と共に新たな意味や価値を創り出す姿」
「その過程を自覚し,さらに対象に関わり続けていく姿」
を追い求めて実践研究を進めてきました。
特に今年度は「対象・他者・自己との対話へと誘う学習環境をデザインする」をサブテーマと設定し,教室を「教え授けられる場」から「自ら学び取る場」へと変える授業づくりに取り組んでいます。
「学習環境」というと,難しい印象をおもちになるかもしれません。
しかし,砂場で遊ぶ子どもを思い浮かべてみると,私たちが「ひと・もの・こと」が関わった環境の中で自分なりの学びを得ていることに気づきます。
砂場遊びに見る「創造的な学び」の原体験
例えば砂でケーキの円形を作った子どもは,葉っぱや小枝でデコレーションを始めます。
また,砂山を作っていた子どもは,そこからさらにトンネルを掘り,河川やダムの改修工事を進めていくでしょう。
子どもたちは目の前の〈砂場〉に自分なりの意味付けをしながら,壮大な世界を創っていくのです。
別のところに目を向けると,泥団子を作っては壊し,また作ることを繰り返す子どもたちがいます。
大人から見れば,同じことに見えるその行為も,本人にとっては,より固くよりきれいな泥団子を作るための試行錯誤であり,その一つ一つの意味は少しずつ異なります。
その時,子どもたちは「もう少し…」「なんで?」「でも…」などの言葉によって自分の行為を意味付けたり,友達とかかわり合ったりしながら,対象がもつ法則や論理を見いだしていくのです。
このように,子どもたちは砂場遊びを通して,「つくる・試す・見付ける・見立てる・つくりかえる」など,創造的な学びへとつながる豊かな原体験をもっています。
だからこそ,私たちは授業を,教室を,豊かな学びの場としての〈砂場〉に変えていきたいと考えました。
キーワードは「しかけ」「場の調整」「足場づくり」です。
各教科等での実践提案!
研究発表会では12本の公開授業を基に,今年度の実践を通して見えてきた「学習環境デザイン」の在り方を提案いたします。
子どもたちが,「対象世界に没頭するたのしさ」「仲間と共に創り出すたのしさ」「自分なりの意味や価値を見いだすたのしさ」を見いだし,自律共創する学びの姿をご覧いただければと考えております。
ご参会お待ちしております。
詳細はこちらから→https://elem.educ.kumamoto-u.ac.jp/the_study/
研究部 溝上 剛道
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