文脈的なプロセスでたどる、真正の学習を目指して

公開日: 2016年6月17日金曜日

研究部長の 藤本 裕人 です。
震災があっても,例年通りの研究運営ができない面があったとしても,
力強く研究を進めていきます。
研究に対する,本校教官の〝意地〟を見せます。


文脈的なプロセスでたどる真正の学習

「授業づくりは文脈づくり」
この言葉は,本校研究にご尽力を賜っている奈須正裕先生からご指導いただいたものです。この言葉には,これからの教育で育むべき汎用的スキルについて,同教科,あるいは他教科での新たな文脈の中で繰り返し使っていくからこそ高い汎用性が身に付くという考え方が含まれています。この言葉を受けて,本校では,同じ汎用的スキルでも教科によって様相が違うことを大事にしながら,その教科ならではの文脈を創り出していくところに,新たに研究の視点を当てています。

これまでの本校研究の蓄積のもとに
コンピテンシー・ベイスの教育に向け,資質・能力の三つの柱(平成27年8月,中央教育審議会教育課程企画特別部会「論点整理」)を軸にしたカリキュラムの構造化について,現在,審議が重ねられています。未だ明確になっていないこの時期,本校では,教科等を横断する汎用的スキルやその育成について検討していくことに着手していきます。
ただし,今後の取り組みが,決して新しずくめではないと思っています。これまで「根拠・理由づけ・主張の3点セット」をツールに成果を積み重ねてきた論理的思考も,「論点整理」の中で,教科等を横断する汎用的スキルとして例示されています。長年実践してきた「対話的な学び」も,アクティブ・ラーニングの視点の一つとされています。他にも,例えば素朴概念をもとにしながら切実な課題に出会わせる探究プロセスであれ,子どもの思考の流れを大切にした単元の柔軟な修正であれ,一つ一つを見れば,コンピテンシーや文脈づくりとは決して無縁ではなかったと思います。

真正の学習を目指して

だからこそ,今,本校の研究に必要なことは,コンピテンシー・ベイスの教育に欠かせない「文脈づくり」という視点であります。これまでの成果を土台としつつ,さらに重視する方略,新たに必要な方略を探っていくことです。例えば,教科の本質から迫る汎用的スキルの顕在化のほか,明示的指導の位置づけ,真正の課題の設定,自らの探究プロセスを舵取りする振り返り等,今後,深めていくべきだと考えます。そのような取り組みから,新たな文脈でもみんなが納得できる解を生み出していく学習が創造できれば,それは「真正の学習」と言えるのではないでしょうか。それを明らかにできるよう,挑戦していきます。
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