文脈的なプロセスをたどる真正の学び(2年次)

公開日: 2017年7月8日土曜日

 研究部長の宮原大輔です。よろしくお願いいたします。
 昨年度から、新しく研究テーマ「文脈的なプロセスをたどる真正の学び」を掲げ、2年次を迎えました。昨年度の研究を引き継ぎつつ、新たな提案ができるよう、教科等で実践を積み重ねているところです。 
 本年度、2月9日の研究発表会は、例年通り1日開催を予定しています。今求められる「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けて、どのような授業づくりをしていけばいいのか悩まれている方もおられるのではないでしょうか。本校の研究発表会では、その具体像を、子どもの姿でお見せします。
 8月24日には、京都大学准教授の石井英真先生を講師としてお招きし、実践研究会を行います。午前中は、公開授業と授業研究会、石井先生による講演、午後は、各教科等の2学期から使える授業づくりセミナーを行います。公開授業では、本校でも勢いに乗っている国語と算数の教官が授業を行います。先生方と、授業をもとに侃々諤々の熱い議論ができることを楽しみにしております。是非ご参加ください。


         文脈的なプロセスをたどる真正の学び

1 これからの社会を創る子どもを育むために
 知識基盤社会の到来,情報化やグローバル化の進展,人工知能(AI)の進化など,加速度的に変化が進む現在の社会。将来の予測が困難な社会においては,知識や技能を総動員し,他者と協働しながら問題を解決してよりよい社会を創り出していく資質・能力を子どもたちに育んでいくことが求められています。そのために,私たちは「何を知っているか」だけを問うコンテンツ・ベイスの教育ではなく,「どのような問題解決を成し遂げるのか」という思考力や判断力,学びに向かう力までを含めたコンピテンシー・ベイスの教育を目指して研究に取り組んでいます。

2 子どもとともにつくり上げる真正の学び    
 本校では,これまで,教師が子どもに知識・技能を教え授けるのではなく,子どもたちが主体的に主題を探究していく中で,自己の課題を見いだし,思考を練り上げ新たな知識・技能を獲得していく「対話」を核とした授業づくりに取り組んできました。「対話的な学び」については,平成293月に公示された新学習指導要領においても授業改善の大事な視点の一つとして挙げられています。
 昨年度は,これまでの研究を基盤とした上で,思考する必然性や学びのストーリーが子どもの側に生じるような真正な文脈づくりに着目しました。真正な文脈をつくるためには,できるだけ文脈を本物の実践に近づけていくこと,子どもが「何とかして解決したい」と思う切実な課題を設定することが欠かせません。そして,子どもの思いや願いに寄り沿いながら単元を柔軟に修正し,学びをデザインしていく。このような文脈を教師と子どもが一体となってつくり上げていくことで,真正の学びとなると考えています。

3 問題解決に生きて働く汎用的スキル
 そして,教科内で違う単元や領域で繰り返し使っている汎用的スキル(比較する,関係づけるなど)の顕在化についても研究に取り組んできました。本校の研究に協力をいただいている上智大学の奈須正裕先生は,昨年度の講演の中で「教科内で毎時間違うことをやっているのではなく,似たようなことが違う表れで出てくるというのが分かってくる。それが『教科が分かる』ということ」と話されました。つまり,子どもがこれまでと違う文脈でも汎用的スキルを自覚化し,道具化して使いこなすことが問題解決に生きて働くことだと考えます。
 本年度は,自分の「学び方」がどうだったのか思考過程をメタ的にとらえ直し,自ら次の学びを舵取りしていくことができるような振り返りの在り方についても各教科等で取り組んでいきます。

 これからの社会を創る自立した探究者を育てていくために,本年度も新たな挑戦をしていきます。
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